2002年4月26日(統一テーマ『城』)
城塞の歴史的変遷  My


はじめに
 城がテーマらしいので、城塞の歴史的な変遷についてごくごく簡潔にまとめます。


<西洋における城塞の歴史的変遷>
西洋史においては、農耕や牧畜を行うようになった新石器時代(前8000年〜3000年)の初期に早くも城壁によって要塞化した集落が出現している。そして時代や地域によって、規模の大小の違い、あるいは原始的な木柵から堅牢な石壁まで、様々な材質の違いがあったとしても、 城壁を高く築き敵の攻撃を防ぐという基本的な構造は長らく変化しなかった。このような構造が揺らぐのは大砲の出現によってである。
 15世紀になると攻城砲が登場したが、城壁はその高さによって砲撃の的となったし、防御用に大砲を設置しようにも幅が狭くて不向きであった。そのうえ堅牢な防御を与えてくれるはずの石壁は、砲撃に弱く、破壊されるときに石の破片が飛び散って守備要員に大きな被害を与えるのである。そのため15世紀半ばから、しだい城壁は低く厚くなり、やがては長大な幅を持つ土塁へと移行して行く。こうして壁の高さによって攻撃を防ぎ止めた時代は終わりを迎え、城塞防衛は、城塞上に設置した火器の力により、行われるようになったのである。このような城塞は、18世紀初頭に完成の域に達した。
 その後19世紀以降は、火器の威力が飛躍的に発達、城塞もそれに相応する防御力が必要となり、やがてコンクリートの使用や地下要塞の建設が、行われるようになっていった。


<西洋と西洋以外の差異>
 西洋以外の地域では、西洋ほど火器の使用を発達させぬまま、近代西洋の軍事技術を導入することになった。そのため西洋以外の地域が、独自に、大砲の出現に対応した城塞を発達させることはなかった。


おわりに
 19世紀以降の記述は自信がない…。


参考資料
戦争の起源;アーサ−・フェリル著 鈴木主税、石原正毅訳  河出書房新社
長篠合戦の世界史 ヨーロッパ軍事革命の衝撃 1500〜1800年;ジェフリ・パーカー著 大久保桂子訳  同文舘
グラフィック戦史シリーズ 戦略戦術兵器事典B ヨーロッパ近代編;学研


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